業界の信頼が失墜しますよ?
95気まぐれ日記月が替わってはじめの日記でこんなこと書くのも嫌なのですが、最近、あるガラスメーカーのガラスの在庫が全国的にありません。
『少ない』という表現よりも『在庫が無い』と言った方が適しています。
有ってもすぐには入ってきません。
日本でカーメーカーのラインと補修用に採用されている純正ガラスメーカーは、国産では3社。
旭硝子と日本板硝子とセントラル硝子です。
一部、フランスのサンゴバン、ベルギーのスプリンテクス、アメリカのAPテクノなども採用実績はありますが、日本車はほぼ90%
以上は前述の日本企業3社のガラスが採用されていると思います。
採用が稀な外国系のガラスメーカー製品の在庫が無いというのなら格段驚きもしないのですが、今回、全国的にあらゆる車種で欠品、
ないし入荷の遅れが顕著になっているのは、日本でも老舗メーカーである某社なのです。
以前にも、我々自動車補修用ガラス業界内では、製品(ガラス)が入ってこないという騒ぎはありました。
でもそれらは、例えば自動車メーカーのトップが外国人に替わり、従来の日本式の流通・物流を是としないということで、
大規模な物流変革が起こり(起こし?)、管理が変わって一時的に流通がストップしてしまったということや、相次ぐリコールの結果、
企業の体質改善と企業の体力が減り、コスト削減のため自社で物流を管理するということで、
今まで全くノウハウがないのに管理を始めたことで一時的に在庫の把握が出来なくなってしまったということであって、簡単に言えば、
今まで何十年も補修用ガラスの管理をガラスメーカーに任せていた会社が、急にやったこともない製品の管理を始めたので、
パニックに陥ったということなのですが、今回のはそれとは全く異なります。
ガラスのプロ、ガラス製品に特化している(一部、バイオ関連機器も扱っているようですが)ガラスメーカーの製品が、
そのメーカーの製品の物流を管理している子会社の営業方針の変革により、
製品在庫と配送など物流システムが劇的に変わってしまったというところです。
おそらく、上記企業内部では、大幅なコスト削減になって、
良い変革だと感じているのだと思います。
しかし、実際にハンドルを握っているお客さんにとってはどうなんでしょう?
特にドアガラスがワレてしまったお客様。
ドアガラスがワレたまま、いつまで経っても入らないとなると、不安ですよね。
それを平気で1ヶ月待てというわけです。
滅多にお目にかかれない珍しいクルマではないですよ。
例えばカローラとかマークⅡとか、大きな公道を5分も眺めてれば走ってくる車種でそうですから。
最近では、このあるガラスメーカーだけが顕著に在庫が無い問題、隠せなくなりまして、我々の大きなお客様でもある、
カーディーラーさんや修理業者さんからも苦情を頂くようになってしまいました。
あまりにも問い合わせるガラスの在庫が無いため、「おたくは何屋さん?ガラスは私たちはどこから買えば良いのでしょうか?」
ということになってしまっています。
我々、自動車ガラス専門業者と言えど、そのガラスが無ければ売れも交換も出来ません。
お客様に対して何とも申し開きが出来ません。
弊社だけの問題ではありません。
弊社が何かをやらかして、罰則としてガラスの入荷が出来ないとか遅れているとかならまだ挽回策もありますが、そうではないようです。
業界全体の信用の問題に発展します。
コスト削減は大事だと思います。しかし、商売って、どこを見てやるものなのでしょう?
我々は誰から対価を得て、暮らしていけるのでしょうか?
お客様が弊社を使ってくれるからではないでしょうか?
そのために、より良いサービスを提供する努力をすることが、企業努力なんじゃないですか?
株主のためにやるものではないと思います。
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